絶縁抵抗試験と判定

製品の感電事故並びに漏電事故を防止するための必要条件であること、また絶縁物の機能または性能を確認するための試験であることでは耐電圧試験と同じです。ただし、耐電圧試験は絶縁破壊を起こすかどうかにより絶縁不良を検出しますが、絶縁抵抗試験は抵抗値を測定することにより絶縁不良を検出します。その方法は、多くの場合、吸湿処理をした後(しない場合もある)に通常取り扱う電圧の5倍から10倍の規定された直流電圧を印加し、流れる電流値から抵抗値を測定します。

絶縁抵抗測定
1 高圧電路
高圧の電路及び機器の絶縁抵抗測定は1 000V以上の絶縁抵抗計(メガー)を使用し、絶縁耐力試験の回路ごとに測定します。絶縁抵抗値の目安としては、6 kV回路では6 MΩ以上を確保するようにします。 なお、上記は参考値であるが、竣工時(新設)においては天候等の影響もあるが、数百MΩ以上あるのが良とするのが通例です。 (財団法人 電気工事技術講習センター「現在:独立行政法人製品評価技術基盤機構」発行テキスト【電気工作物の試験】を参考。)

2 低圧電路
低圧電路の絶縁抵抗測定は通常500 V絶縁抵抗計(メガー)を使用し、各相間及び大地間を測定します。絶縁抵抗値は低圧電路の漏れ電流を1 mA以下にすることを基本として、電気設備に関する技術基準を定める省令、第58条で表のように定められています。ただし、表の値は最低限の値です。

メガーの電圧は負荷設備の定格電圧に応じて、250、125、100 V用等を選定し、メガーの電圧によって負荷設備に損傷が生じないように注意します。

PAGETOP